アトピー性皮膚炎の特徴は、次のようなものです。
<1>「激しいかゆみ」とともに、「湿疹」があらわれます。湿疹とは、皮膚表面が赤くなるブツブツができる、湿ったような皮膚になる、カサカサになり剥がれ落ちる、カサブタができるなどの症状をいいます。
<2>薬剤をやめると、一層急激な発赤や激しい痛み、かゆみ、発熱、不眠などの禁断症状(リバウンド)が出現します。
<3>さらに悪化すると、薬剤が切れなくなります(離脱の困難)。
<4>ヘルペス、化膿疹(黄色ブドウ状球菌など)、MRSA(院内感染)、水虫など感染症を併発します。
<5>精神症状を起こし、意欲が減退したり、出社拒否、退職、登校拒否、とじこもり、人間関係の疎遠、結婚できない、出産への恐怖など社会適応が難しくなってきます。子供の場合は、いじめの原因ともなります。
アトピー性皮膚炎は初めからひどい状態だったわけではありません。腕や足や首あたりにほんのわずかな湿疹があらわれる単なる皮膚炎にすぎません。
このような初期には規則正しい生活を心がけ、入浴で体をあたため、暴飲暴食を避け、よく眠る、ストレスを解消する、薬剤(ステロイド剤)にたよらず自然治癒力で治していく、皮膚を清潔に保つといったごく初歩的な処置をほどこせば自然に消滅していく疾患です。
乳幼児期に発病した軽い初期であれば、放っておいたほうがいいのがアトピー性皮膚炎です。成長するにつれ免疫力がつき、自律神経のバランスが整ってくれば、自然の治癒力が出てきてその力で治っていきます。
ところが、過度に薬剤に依存していると、今までよりもさらに身体機能の低下をともなったステロイド皮膚症つまり難治性疾患へと移行します。
アトピー性皮膚炎を難病にしてしまうのは、症状だけを抑え込もうと安易に薬物に頼る取り組み方にも一因があることを認識しましょう。
アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質という下地に何らかの原因が加わって発病します。しかし、アレルギー体質をもっていても発病しない人もいます。それは、何らかの原因が加わらなかったからです。
この“何らかの原因”が、アトピー性皮膚炎の根本原因ということになります。
話を聞くと、ほとんどの方が人生における最大の衝撃、どん底に陥れられるようなつらい体験をしておられます。たとえば、父親が死んでショックを受けた、受験で強度のストレスになったなどです。
心や精神への重大な影響が引き金となり、持っている素因(遺伝、アレルギー体質など)が頭をもたげてアトピー性皮膚炎を発症します。
アトピー性皮膚炎も、自己免疫疾患のひとつです。
体の中には免疫グロブリンE(IgE)という抗体があって、異物(外敵、アレルゲン)が体内に入ってくると、かゆみを感知させる化学物質(ヒスタミン)を放出して、異物が入ってきたことを知らせ、マクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞、Tリンパ球などを動員して、外敵を排除します。
アトピー性皮膚炎は、異物への反応が過敏に働いて、皮膚の異常をもたらします。
一般に、療法には原因療法と対症療法があります。
原因療法は、病気の原因となるものを根本から正す治療法で、対症療法は一時的に苦痛を和らげる治療です。
原因療法は自然良能・自然治癒力を前提にして、全身的、全体的な観点から治療をほどこします。
対症療法は目の前にあらわれた病状を抑えることが主眼になります。
特にアトピー性皮膚炎のような難治性疾患は、原因療法が大切です。一時しのぎに薬物にたより、表面を隠してしまうような小手先の対症療法では、治るものも治りにくくなります。
アトピー性皮膚炎における原因療法とは、素因となるものが何であれ、いちいち過剰な免疫反応を起こさないような、免疫機能が正常な働きを体に戻す療法のことをいいます。
人間にとっては本来無害であるはずの食物、花粉、ほこり、ダニなどを“外敵”と誤認しないようにしていけば、アトピー性皮膚炎は起こりません。
何を食べてはいけない、ハウスダストやダニが原因だということより、どんなものを食べようが、どこに住もうが、どんなダニがいようが、本来健康な体であれば、それによってアレルギーを起こしたり、アトピーを招来したりすることはないのです。
どんな環境にあってもいちいち異常な過剰免疫反応を起こさないようにする療法こそ、本当の原因療法です。
アトピーの子供には、母親の接し方が大変重要です。
小さい時から塾に通わせて外で遊ばせないとか、テレビゲームに熱中させたり、昼と夜が逆転するような不規則な生活を続けさせていると、交感神経・副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、体調を崩し、抵抗力も弱くなります。
愛情は子供を強くし、過保護は逆に抵抗力を弱めます。過保護と愛情は違います。母親の育て方によっては、アトピー性皮膚炎を改善したり、悪化させる要因となります。